2016年に除草剤をやめて草生栽培に切り替えてから、今年で10年になります。最初の3年は半信半疑でした。でも土の変化は数字にも感覚にも出てきました。ここに記録として残しておきます。
草生栽培とは何か ¶
草生栽培とは、果樹の木の下に草を生やしたまま管理する栽培方法です。草を刈らずに残すことで、土の水分が保たれ、土壌微生物が増え、益虫の住処ができます。見た目は雑然としていますが、土の中では複雑な生態系が動いています。清耕栽培(草を除去する方法)と比べると、初期は手間がかかりますが、長期的には土が豊かになります。
切り替えた最初の3年 ¶
2016年に草生栽培に切り替えた最初の年は、見た目の変化が気になりました。草が伸びると農園が荒れているように見えます。でも土を掘ってみると、ミミズの数が明らかに増えていました。2年目には雨の後の土の乾き方が変わり、水はけが改善されました。3年目の2019年には農薬使用量が2016年比でほぼ半分になりました。
10年後の土の状態 ¶
今年の春、農園の土を掘ってみると、色が変わっていました。2016年当時は灰色がかった固い土でしたが、今は黒っぽくてやわらかい。雨の後に農園を歩くと、土が少し沈む感触があります。土壌の有機物が増えている証拠です。果実の糖度も、同じ品種で比較すると上がっています。
草生栽培で注意すること ¶
草生栽培はすべての農園に向くわけではありません。水はけが悪い土地では、草が水分を保ちすぎて根腐れの原因になることがあります。また、草の種類によっては果樹と栄養を競合することもあります。農園では年に2〜3回、草を刈って根元に敷くことで、草の高さをコントロールしています。
草生栽培は一朝一夕に結果が出る方法ではありません。でも10年続けてみると、土は確かに変わります。農園見学では実際の土を見ていただけます。ご関心のある方はお問い合わせください。